2022年の自作キーボード活動を振り返る

今年もいろいろキーボードを自作したりいじったりしました。2022年の自作キーボード活動を振り返ってみます。

 

 

ほぼプレートレスキーボードの製作

2022年はなんと元旦からキーボード自作している…。厚いシリコーンシートをスイッチプレート代わりにし、手配線でほぼプレートレスを目指したキーボードにチャレンジ。でも最終的にはうまくいきませんでした。

 

その悲しい過去の詳細はこちら。

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キーボード打鍵音の録音用マイクを導入

2月になると打鍵音の探求のためにマイクを購入しています。購入したのはTASCAM DR-07XというASMRとかで使われたりするもの。これまで使用していた安価なマイクに比べて格段に録音音源がまともになりました。もちろん実際の打鍵音とはやっぱり違うけれど、打鍵音の違いを記録すのには十分。あとはこれで録音しながら試作を繰り返して改良を重ね、最高の打鍵音のキーボードを作るだけ。

 

Youtubeデビュー

マイクでましな打鍵音が録音できるようになったので、タイピング音の録音音源をYoutubeにあげるようにしました。これで私もユーチューバー。まあ自分で録音した打鍵音を整理して比較する目的なので、音だけで画は静止していますが…。

 

これまで使用した市販品のキーボードや自作したキーボードのタイピング音をアップロードしています。

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スタビライザー打鍵音を整音するためのPCBのテスト

次に着手したのはスタビライザーの打鍵音。打鍵音を意識するようになってからは、アルファベットキーとスペースキーの打鍵音の大きさのアンバランスさに不満を持っていました。スタビライザーつきのキーの打鍵音をなんとか低減させたいとずっと思っていたので、PCBにいろんなパターンの切り込みを入れたテスト基板を作って打鍵音に影響があるかを調べました。

 

これはダメかなと思っていたパターンが予想外に良く、嬉しい発見でした。スタビライザーの底打ち音を消したい&キーキャップの半挿しを許せる人はお試しあれ。

 

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打鍵音エンドゲーム(今年1回目)

シリコーンシートのプレートレスキーボードの失敗、スタビライザーのテストを経て辿り着いたのが2022年の打鍵音エンドゲーム1号。

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このキーボードのスイッチは静音のものではないですが、シリコーンシートが効いていて打鍵音がかなり抑えられています。シリコーンシート5mm厚はダンパーとしてかなり有能みたいです。狙い通りの柔らかい打鍵音を得ることができました。ただ、音が控え目すぎて最近では少し物足りなさを感じます。

 

初めての分割キーボード自作

打鍵音に満足のいくキーボードができたので、ここで別の要素にチャレンジしてみました。分割キーボードです。日本の自作キーボードといえば分割と言っても過言ではないくらい多くの分割キーボードがあります。自分も日本で自作キーボードを嗜んでいるのだから、一つくらいは分割キーボード作らないといけないという気がしていたので作ってみました。はじめはどなたかが設計した自作キットを作ろうかと思ったけれど、やっぱり自分で使い勝手のよさそうな配列にしたくなったので設計からやりました。

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キーボードを設計・自作するたびに何か新しい要素にチャレンジする、というのがなんとなく自分ルールになっており、今回は分割という要素に加えて3Dプリントケース&その塗装にチャレンジしました。3Dプリント+塗装が上手くできると、ケースの形と色(質感)を自分の思い通りにできます。これは自作キーボードケースのエンドゲームに大きく近づくのではないかと思っています。

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塗装は奥が深く、難しいことを思い知らされる一方で、結果的には満足度の高いケースに仕上がりました。ケースをこだわりたい人は3Dプリント+塗装おすすめです。

 

ただし残念だったのは打鍵音。打鍵音エンドゲームと思えたキーボードを手にした後では、この分割キーボードの打鍵音はちょっと使う気になりません。おそらくケース内の空洞が大きく、ガスケットのフォームを潰しすぎているのが原因な気がします。それに加えてチルト角度が急すぎたこともあってどうも打ちづらい。今では飾りになっています。もったいないけど、経験値を積んだということで良し!(と自分に言い聞かせる)。

 

キー配列についてあれこれ考えた

今年はキー配列についてもあれこれ考えた事がありました。キー配列は沼中の沼だと思っていて、自分はこの沼にだけは入るまいと思っていましたが、Tomisukeさんの記事に感化されていろいろ考えを巡らせてしまいました。

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考えるほどやはり沼中の沼。自分には底なし沼に見えます。この深遠さが人を惹きつけるキー配列沼の魔力なんでしょうか。

 

打鍵音エンドゲーム(今年2回目)

以前製作したプレートレスPCBガスケットマウントのキーボードrelief64のスイッチを変更したくなったので、複数のスイッチを試して最適解を探しました。そのおかげで今年2回目の打鍵音エンドゲームに辿り着きました。その打鍵音はこちら。

この打鍵音はかなりのお気に入りで、これこそ自分の求めていたもの。あまりに打鍵音が心地よくて、一時期タイピングテストをそれまでの1.5倍やるようになったほどです。

 

PCB・スイッチプレート一体型ホットスワップキーボード

打鍵音エンドゲーム(今年2回目)のキーボードの打鍵音がかなり気に入ったので、しばらくこれで満足していました。実際もうキーボード自作しなくてもいいかなと考えていたくらい。しかし数か月使っているとどうも打鍵音が変わっている気がする。気のせいかと思いましたが、調べてみるとどうもルブの具合が劣化しているのが原因みたい。

 

そこで再ルブがやりやすいように何とかホットスワップで打鍵音が心地よいキーボードを作れないものかと考えました。あれこれ考えて出てきたアイデアがPCBとスイッチプレートが一体となった下記のような構造。

 

このアイデアを実際に形にするまでに時間がかかりましたが、試作を経て何とか年内に完成させることができました。心地良い打鍵音を目指していたのですが、結果としてほぼ静音キーボードができあがりました。

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2年前の自分であれば間違いなくエンドゲームと思っていたはず。ただ、現在の自分が求めているものとはちょっと違う…。悪くないんですけどね。

 

unity69と名付けたこの自作キーボードについてはそのうち詳細を記事にしようかなと考えています。

 

よく読まれたブログ記事(2022年12月)

半分は自分のメモとして、半分はほかの人の役に立つかも、という動機でブログを気まぐれに書いています。昨年の12月によくアクセスされている記事を調べてみると、キーキャップに関連することがよく読まれていたようで、みんなキーキャップが好きなんだなーと思ったものです。一方、今年の12月にGoogleからアクセスされている記事の割合を見てみると、「プレートレスPCBガスケットマウントの自作キーボード2作目」がトップでした。これはなんでだろう?

 

タイピングテスト

ほぼ毎日Monkeytypeでタイピングするのが習慣になってしまいました。毎日5分くらいでもやり続けると、タイピング速度はじわじわと向上するようです(まあ特定の単語だけですけど)。下の図はその成長の記録と自己ベスト。

MonkeyTypeでの成長の記録

increase、interest、peopleとかまともにタイプでないことがほとんどですが、最近increaseについてはコツを掴んだ気がします。あともう少しで130WPM(ただし30 seconds or 50 words)を突破できそうなのですが、今年は突破できませんでした。来年こそは!

 

まとめと来年の展望

2022年はずっと打鍵音を追求していた年でした。打鍵音エンドゲームと思えるキーボードが賞味期限付きですが自作できたので、2021年の終わりに掲げていた目標は一応達成しました。また分割キーボードや3Dプリントケースの実績も解除しました。しかしそれで満足して終わらないのが人間という生き物。2022年の間にはメンテナンスがしやすいホットスワップの打鍵音エンドゲームのキーボードを手にすることはできませんでした。

 

そんなわけで今年も「打鍵音なんもわからん」を何度もつぶやいた年でした。でも今年製作したキーボードから、ぼんやりと打鍵音エンドゲームへの道筋が見えた気がしています(気のせいかもしれない)。来年こそは「打鍵音完全に理解した」となりたいものです。

 

この記事は自作したオリジナルキーボードrelief64、unity69で書きました。