月見草配列を1ヶ月練習してみて

かな配列3つ目として月見草配列を試しています。 1ヶ月程度タイピングソフトで練習しました。 ここでは使用感などを書きます。

少し改造

「ち」の割り当てを移動

もともとの月見草配列v2では「ち」、「り」はそれぞれ「[」、「'」キーに割り当てられている。 このために右小指の割り当てが多く、打ち分けるのが難しいのでミスタイプが頻繁に起こる。 これは月見草エキス配列を試したときと同じ症状だ。

これがやっぱり自分には合わないと感じたので、「ち」とその拗音の割り当てをYキーに移した。 もともとYキーには何も割り当てられてなかったのでこの変更は簡単。 さらに「り」も移動したいが、これは簡単にはできないのでそのまま。 ただ、「ち」の移動だけでかなり打ち間違いが減った。

改造した月見草配列

後置シフト単押しの「、」「・」「。」

後置シフトのE、S、Fの単押しには「、」、「・」、「。」が割り当てられている。これは少し癖があって、これらを出力したい場合はその前の入力を確定させないといけない。これがどうも自分にはなじまなかったので、スペース長押しでQWERTYレイヤーにして入力することした。 まだ作文に月見草配列を使用していないのでイマイチこの変更がいいのかわからない。

使用感

やっぱり拗音は気持ちいい

拗音は月見草エキス配列と同様に気持ちがいい。ただ、やっぱり「ょ」と「ゅ」の混同が起こる。月見草エキス配列を練習していたときよりはマシになっている気がするので、時間がかかるかもしれないが訓練で解決しそうな気がする。 「ひょ」(JKS)や「みゅ」(JDF)などは、3キーを素早くタイプする必要がある。 まだ慣れていないのでミスが多いが、打ちやすい運指なのでこれも慣れの問題だろう。

「う」につながる運指も気持ちいい

もう一つ気持ちがいいのは「う」につながる運指。月見草エキス配列で「しょう」「りょう」などは気持ちがいい運指だったが、月見草配列ではNSD、”SDとなり同様に気持ちいい。これらに加え、「おう」(KFD)、「どう」(LFD)、「ろう」(ISD)、「よう」(MFD)など、「う」につながる、右1打+左2打の気持ちいい運指が複数存在する。「う」に吸い込まれている感じがする不思議な感覚があって面白い。気持ちのいいタイピングができる配列を求めているので、拗音+この点は自分の中でかなりポイントが高い。

ひどく辛い運指はない

また、ひどく辛い悪運指と感じるものがほとんどないのも良い。 ロゴス配列でもそうだったが、その辺りをケアしてうまく設計された配列という印象がある。

やや苦手なキー、運指

ホームポジションから遠いBキー、Yキーにある「は」「ち」(「ち」は改造したため)は未だにミスタイプが多い。ただしQWERTY配列でローマ字入力するときや英語の入力ではB、Yは別にミスしやすいわけではないので、慣れの問題だろう。

「ぎょ」(VS)、「ぎょう」(VSD)はまだ苦手意識がある。「ぎょ」はこれは同時押しできる組み合わせの2キーなので練習すれば素早く打てるようになるはず。一方、「ぎょう」は少し指が動かしづらくタイプが遅い。

長音記号2ストロークの違和感

違和感があるのは長音記号。これまで触った月見草エキス配列やロゴス配列では単押しで入力できたのに対し、月見草配列ではMSの2ストロークになる。打ちやすい運指ではあるが、「コーヒー」(HMSJKMS)、「キーボード」(UMSSFMSLF)など、長音記号が2つとか出てくるとやたら指を動かさないといけない感覚がある。長年使用してきたローマ字入力でも単押しであり、今まで2ストロークで長音記号を入力したことがないことがこの違和感の原因かもしれない。慣れの問題のような気がするが、ローマ字入力と同じにして「-」キーにしてもいいかもしれない。あるいは2キー同時押しにしてもいいかもしれない。例えば後置シフトのESFを連続で素早くタイプすることはないので、このどれかの2キー同時押しはありかもしれない。

1ヶ月間の成長の様子

以下のタイピングソフト・サイトで練習をした。

  • タイプウェルR(QMKでキーボードからはアルファベットを出力しているため)
  • Kiri typing
  • myTyping 各指の特訓編
  • e-typing 日本の昔話、世界の童話、世界の童話2

以下はタイプウェルRでの日ごとの平均タイム、ミス回数をプロットしたもの。 促音で必ずミス判定になってしまうので、ミス回数は実際よりも数回多くカウントされているはず。 日ごとの平均をとると、最初の数日を除いて急に成長することはなく、徐々に成績が良くなり、だんだん傾きが緩やかになってくる。 平均ミスタイプ数はほぼ一定になっている。速くタイプしようとしているせいだろうが、これはもっと減らしたいところ。

タイプウェルの日ごとの平均時間と平均ミス回数

またKiri typingではベストスコアが出たときしか記録していないが、その変化をプロットしたのが下図。

Kiri typingでのベストスコアとミス回数

こちらは徐々にミスが減っているようにも見える。練習を始めて1か月くらい経つと、ゆっくりタイプするとミスなしで打てることもある。 やっぱり練習のためにはミスしない意識を促すようなタイピングサイトが欲しいところ。

あとがき

月見草配列を1か月練習しましたが、気持ちよくタイピングできる瞬間が結構あるのでいい感じな気がします。 今のところ長音記号以外はとくに違和感がないのでもうしばらく使ってみようと思います。

この記事は自作したオリジナルキーボードunity69で書きました。

月見草配列にチャレンジ

日本語の入力をもっと心地よくしたいと思い、かな配列を始めました。 配列図だけ見ていても自分に合うのかはわからないので色々試しています。 3つ目として月見草配列v2にチャレンジしてみることにしました。

ロゴス配列を練習してみたが…

最初のかな配列として月見草エキス配列に取り組んだ後、かな配列2つ目としてロゴス配列にチャレンジした。 これは2種類のシフトキーを同時押しするかな配列。 月見草エキス配列を覚えるのにはかなり時間がかかったのに対して、ロゴス配列は1日でほぼ全てのキー割り当てを覚えられた。 こんなに早く覚えられるのはこの配列が自分に合っているからなのでは、と期待を持ちながら1週間程度練習していた。

ロゴス配列はシフトキー同時押しだ。 同時押しは指の形が無理のない状態でないとできない。 月見草エキス配列では一部の運指が辛かったのだが、そうしたものを完全に無くせるかもしれないという期待があった。 それはその通りだったのだが、一方でどうも同時押しの打鍵リズムが自分にはしっくりこない。 同時押しはピアノの和音を弾く感じだが、自分はジャラっとタイプしたい。 これは自分がキーボードの打鍵音にこだわっていることとも関係している気がする。 同時押しの打鍵音はピアノと違って気持ちいいものにならない。 ロゴス配列を試してみてより明確になったのは、速くタイプすることよりも気持ちよくタイピングすることを自分は重視しているみたいだ。

1週間で自分に合う・合わないを判断するのは時期尚早かと思ったが、やっぱり同時押しシフトは自分が求めているものではない気がする。

次はどの配列に挑戦しようか?

同時押しシフトが自分はしっくり来なかったので前置・後置シフトの配列を検討する。 ロゴス配列は結構スルスル入力できる感じがあったので、ディットさんのスコアが高い配列は自分に合っている気がする。 評価方法の詳細はわからないけれど、以下の表を配列選定の参考にした。

「しさくひん」がおそらくロゴス配列の最初のバージョンと思われる。 スコアの高いものの中に月見草配列があるることに気づく。 実は月見草エキス配列のファームウェアを作るときに、勘違いして月見草配列のファームウェアを書いた事があった。 これらを同じ配列だと思っていたのだが、配列を覚えようとした時に自分の誤りに気づいて月見草エキスに修正したのだった。 ディットさんのスコア表では月見草エキス配列に比べて月見草配列はだいぶ成績が良い。また拗音の入力は月見草エキス配列と同様なのだが、これがかなり気持ちよかったので、次に試すのは月見草配列にすることにした。

月見草配列

以下の図は月見草配列v2の配列図(配列作成者さんのページはこちら)。

月見草配列v2。ESFキーは後置シフト、Jキーは前置シフト。

ESFキーが後置シフト、Jキーが前置シフトとなっている。面白いのはYキーには何も割り当てられていない。QWERTY配列だとホームポジションから遠い位置にあるからだろう。 月見草エキス配列と同様に右小指の割り当てが多いので、使用感によってはその割当をYに移動させても良さそうだ。 配列図だけだとわからなかったのが「ひょ」とかの入力。 これはJKSの3連続入力でできる。

QMKのファームウェアが結構難しい

月見草配列は月見草エキス配列と同様にESFが後置シフトキーとなっているが、月見草配列ではこれらのシフトキーにも単押し・シフトキーとの組み合わせに文字が割り当てられている。 これはファームウェアを書くときに悩ましい。 ESFキーを入力し続けると出力文字が確定しないのだ。 単純に2連続入力だけ考えていると、例えば以下のような不確定性がある。

  • F → 。
  • FE → ぶ
  • FEF → ぶ、 or 。ぱ
  • FEFE → ぶぶ
  • FEFEF → ぶぶ、 or ぶ。ぱ or 。ぱぱ

月見草エキスではESFにシフトレイヤーの文字が割り当てられていないので単押しと2入力だけ考えておけば十分だ。 最初はこれと同じように月見草配列のファームウェアを書いたが、そうすると例えば「きっぷ」(UJSE)と打つと「きあ、」になってしまう。 さて、どうしたものか?

Google日本語入力の定義ファイルを参考にする

幸いなことに、Google日本語入力の定義ファイルが配列作成者さんのページで公開されている。 これを見ると、最大6キー入力までが定義されている。

とりあえずこの定義ファイルからQMKのファームウェア用の入力・出力の変換テーブルを作成し、一連の入力がテーブル中のパターンに一致しなくなったら一致する部分を確定、という動作にした。 この場合、確定するまでキーボードから文字列を出力しないのだが、これはUI的には分かりづらい。 そこで入力時間を監視して入力間隔が250ms空いたら確定するようにした。 250msのタイムアウトは結構素早くタイプしないといけない。 少しでも迷うとタイムアウトになる。 使ってみたら結構ミスタイプが起こりやすいことがわかったので、後ほど350msに変更した。

しかし再び問題が。 ファームウェアをコンパイルしてみると、ATmega32U4では容量が足りないことが判明...。

現れない文字列を除く

自作キーボードのMCUをもっと容量のあるものにしたPCBを作れば解決できるけれど、既存のキーボードでなんとか実現したい。 そこで、テーブルの中から出現しないであろう文字列パターンを除いた。 ディットさんのn-gramデータは1000万字のサンプルをもとにしているので、これに含まれない3gram、2gramはきっとタイプすることはないとして、それらが出力パターンとなっているものはテーブルから除いた。

これでファームウェアはギリギリATmega32U4の容量に収まるようになった(容量の98%!)。

2週間程度練習してみて

7/27から練習を開始。 なかなかファームウェアの作成に手こずっていたので、はじめはかなテスターで練習し、ファームウェアが完成した7/31からはタイプウェルやタイピングサイトなどで練習した。

1日で割り当ての半分くらいを覚えた。 3日目にはほぼ全てを覚え、一部は正確にはわからないけどだいたいこのへん、くらいまでにはなった。 初めてトライした月見草エキス配列では覚えるだけでかなりの月日がかかったのに対してほぼ似たような月見草配列が数日で覚えられるようになったのはやっぱり不思議な感じがする。

大体割り当てを覚えた練習開始4日目辺りからタイプウェルでの練習を始めた。 タイプウェルの日ごとの成績(平均タイム)をプロットしてみたのが下図。

タイプウェルの日ごとの平均タイム

ロゴス配列の場合も併せてプロットした。 これを見ると、習得具合に似たような傾向があるのが興味深い。 図の0日目の両配列の習得具合は一致していないが、どちらも150秒辺りから速度の向上具合が鈍くなっている。

実感としてはタイピングテストをしているときに、文字の割り当てを思い浮かべる時間、それをタイプする動作を始めるまで時間、が徐々に短くなっている。 長いこと使ってきたQWERTY配列だとそのような意識は頭に浮かばないので、意識しながらタイピングするフェーズから無意識に指が動くフェーズへ徐々に移行しているという気がする。

脳の神経回路を徐々に構築している感じがあってなかなか面白い。 最終的にはどこか一定の値に漸近するだろうけど、このまま徐々に平均タイムが短くなっていくのか、それともある時に急に短くなったりすることがあるのか? 面白そうなのでもう少し記録を取ってみようかな。 (こういう機能をタイピングソフトは備えていてほしい...)



この記事は自作したオリジナルキーボードpbkb48、unity69で書きました。

新配列一覧サイトに向けたアンケートについて

キーボード配列に関して面白い取り組みが始まりそうです。 新配列一覧サイトを作ろうというもの。 実際自分がかな配列に手を出そうとしたときにそういうのがあったらいいなと思ったので、とても期待しています。 ただ、いくつか気になる部分もあります。 少しでも助けになればと思って書き出してみます。

新配列一覧サイト

新配列一覧サイトを作ろうとしているようです。

自分は最近かな配列を触りだしたのですが、まさにこういうのを欲していました。 まだいろいろな配列を試している段階なので、新配列一覧サイトにはとても期待しています。 現在はサイト構築に向けてアンケートをとろうとしており、その内容について意見を募っているようです。 以下では自分の個人的な意見をたらたら書きます。

誰のためのサイトなのか?

これはアンケートの最初に書いてあるのがいいと思います。 Xの画像には書いてありますが、アンケートの最初にも書いておくのが良いかと。

これはアンケートに回答する人にとって重要だと思います。 アピールポイントを書くときに対象者の背景知識によって言葉選びなど、書き方が変わるはずだからです。 例えば私は「新配列」が何をさすのかもぼんやりしています。 新配列といった時点で日本語の入力のことだけを考えていると想像するのですが、そうすると英語の入力のことは考えないということになるのでしょうか? サイトを参考にしたいと思っている私は、例えばこうしたことがわかりません。

そもそも前提として

配列の評価は人によって違うはずです。 タイピングのやり方や癖、例えば小指を使う/使わない、など個人差があるからです。

個人が自分の基準で評価して自分のために比較する分には問題ありません。 ただ他の人が参考にするときにどうだろうか、という疑問があります(もちろん主催者さんも重々承知の上だと思いますが)。

また配列を作り出している人の多くはこだわりの強い人だと想像します。 思ったより低く評価されたら落胆したり憤慨するかもしれません。 それなりに多い人数で評価すれば一定の説得力がありますが、評価は少人数で決定します。 その場合、納得感のある評価にするのは骨が折れるかもしれません(気にしないのかもしれませんが)。

そうした中で、「全体の相対”順位”が保たれるように」とか「”ランク”づけ」、という言葉があるのが気にかかります。 優劣を意識させる言葉は意図しない競争へ人々を駆り立てないでしょうか? 比較するとどうしても競争意識が生まれてしまうので、こうした言葉は避けるのが賢明ではないかという気がします。

また、順位がひとり歩きしないか、というのも心配なところです。 学校のテストの点数が低いと頭が悪いと評価されてしまうように(それは知能のある側面でしかないのに)。

個人的には、各配列の特徴をうまく浮かび上がらせるような評価軸を設定できるといいと思っています。 ではどうすればいいかと問われれば、全然いいアイデアはないんですけど...。

評価項目について

アンケート草案Q1では3つの項目があるのですが、

  • 滑らかさ(同じ指での連打、および同じ手での連続打鍵が少ないか)
  • 高速タイピング適性(十分に習熟した場合の、到達速度上限の想定。 ※この項目の★10は、「現存する配列のうち、最も速い打鍵記録が出ている水準」を指します。)

というのは、強い相関があるのではないかという気がします。評価軸はできるだけ独立した項目にできると良いでしょう。

また滑らかさの定義は議論の余地があるかもしれません。 同じ手での連続打鍵でも指が異なって打ちやすければ指が絡まった感じはなくスムーズにタイピングできます。

高速タイピング適性でQWERTY配列を★8しておくのは良いのでしょうか?おそらく多くの配列考案者はQWERTYより自分の配列が優れていると考えていると思います(そのために新配列を考えているはず)。 そうすると非常によく訓練された場合に想定されるタイピング速度は★9か10しかありえないような気がします。 ただしこれは嘘かもしれません。例えば必ず左右交互に打鍵することが要求される配列の場合、QWERTYよりも高速に打鍵するのは難しいかもしれません (例として挙げているQWERTY配列と大西配列の★の関係はそう考えているように推測できる)。 自分はわからないのでタイパーなど有識者に伺ってみたいものですが、もしそうであるならアンケート回答者はこの点について共通認識を持っている必要があります。

自分が知りたい項目

どのかな配列を使ってみようかと調べていた時に、自分が考えたのは以下のようなことです。

  • 標準的なロースタッガードの配列で無理なく使えるか?
  • EnterやBSなどが標準的なロースタッガードのQWERTY配列と共通か(自分は英語をQWERTYで打つので混乱しないように共通化したい)
  • 小指の割り当てが多いか少ないか?(右小指に割り当てが多いかな配列がよくあるが、これは自分には難しい)
  • 割り当てが30キー程度に収まっているかどうか?(数字列までかなが割り当てられているものは避けた)
  • シフトが同時押しかそうでないか?(自分は同時押しは好みではないみたい)

私はこのような考えをめぐらすので、草案のざっくりとした評価軸では物足りない感じがします。 新配列に興味を持つような人は私のようにあれこれ考えていないだろうかという気もしますが、ちょっとわかりません。 その場合はアピールポイントをみるんですかね? ←このへんは基本情報を参考にすれば良さそうです。

スコアの尺度

アンケート草案ではQWERTY配列と大西配列のスコアの例が示されています。 回答者にとってはこれらがスコアの尺度となります。 それ自体はいいのですが、その尺度は適切なのか、を十分吟味した方がいいでしょう。 評定基準となるのでアンケートを集める前に審議する人たちで確認するのが良いと思います。

物理配列の情報もあるといいかもしれない

多くの人はロースタッガードの物理配列を暗黙のうちに仮定するのではないでしょうか? 少なくとも最近まで私はそうでした。 現在では格子配列やカラムスタッガードのキーボードを使っている、という人も少なくないでしょうからその情報もあるといいかもしれません。 新配列によってはキーボードの物理配列によってタイピングしやすさが変わりそうな気がします。 ただ、配列一覧にどこまで詳細を載せるかということもあります。 配列作者さんはどのような物理配列を使っているのか、作者さんのページに載せてあると参考になって良い、程度でよいかもしれません。

スコア審議の透明性

議論はX上でオープンに行われるとあります。 これは透明性を担保するうえでいいと思います。 ただ、評価に納得できなければ掲載取り下げで対応、とあるのですが、この点ちょっと気になります。

投稿した配列作者がスコアが気に入らないから掲載取り下げとなったとします。 その経緯がオープンになっていると、あの人は自分の主張を曲げない頑固な人なんだろうな、とか配列とは関係ない不当な評価を配列作者が受けないだろうかと心配します。 そんなわけですべてを公開するのが本当にいいのだろうか、なんて思ったりしますが、心配しすぎかもしれません。

あとがき

ちょっとネガティブなことばっかり書いてしまったかもしれません。 また、それに対する改善案を全然提案できていなくてごめんなさい。 ここに書いたことが変なブレーキになりませんように。 少しでも役に立てばと思って書いているだけなので適当に取捨選択してください。 新配列一覧サイト期待しています!

キーボードかな配列を試してみて気づいたこと

かな配列はずっと気になっていましたが、覚えるのが大変かなと思ってずっと手を付けていませんでした。 あるとき一念発起して練習を始め、自分なりの習得方法を身につけた気がしています。 これまでに3つのかな配列を試しましたが、ローマ字入力していた時には意識していなかったことにいろいろ気づきました。

ローマ字入力では音を、かな入力では字面を思い浮かべている(?)

かな配列を練習していると、特に初期の頃は清音と濁音を混同します。 例えば「と」と「ど」の割り当てを混同して、「と」とタイプしたいのに「ど」をタイプしてしまいます。 一方、ローマ字入力ではこれらを混同したことはありません。

これは、ローマ字日本語入力しているときは音を、かな入力しているときは字面を頭に思い浮かべているのが理由ではないか、という仮説を立てています。 音を表すアルファベットの「t/d」は全く別物ですが、かなの字面「と/ど」は結構似ています。 また日本語のタイピングテストを行う際、サイトによってはローマ字の綴りが表示されたりしますが、自分はその綴りを見てタイピングすることはありません。 おそらく頭の中でローマ字の綴りを想起しておらず、日本語入力のときにローマ字の綴りという視覚情報を必要としていない気がします。

ただし、ローマ字日本語入力は長年使い続けてよく訓練されたQWERTY配列で行っており、これが混乱が起こらない理由かもしれません。 QWERTY以外の配列でローマ字日本語入力を行った場合に「t」と「d」の混同が起こるのか興味のあるところです。

自分自身のことなのによくわかっておらず上の仮説が正しいかはわかりませんが、ローマ字入力のときとかな入力のときで明らかに脳の使い方が異なるのを感じます。 この感覚は新鮮で面白いです。

かな入力ではシフトキーが必要になる

なんだか当たり前のことを言っているように思われるかもしれません。 かな入力のためにはアルファベットキーだけでは数が足りません。 通常のキーボードではシフトキーとの組み合わせにより入力する文字を割り当てる必要があります。 これはローマ字日本語入力しかしてなかった時には全く意識しないことでした。

かな配列では単純に覚えなければいけない割り当てが多いので、ローマ字入力よりも学習コストが高くなります。 逆に、ローマ字日本語入力は低い学習コストで日本語を入力できるようになる方法、といえるでしょう。ただし文字をタイプするときの脳の使い方によってはローマ字入力のほうが難しいと感じる人もいるかもしれません。

(わたしの)配列学習方法

素早くタイピングできるかどうかは別として、割り当てを覚えるだけなら1週間程度でできるようになりました。

これは自分なりの学習方法がわかってきたからだと思います。 私は以下のように練習しています。

  • 単語のタイピングテストを配列図を見ながらひたすらやる
  • かな配列テスターのようにキー配列図上に入力するキーの位置が表示される場合は、それを隠す(ただし別ウィンドウで配列図は表示しておく)
  • 指の形や運指を意識する
  • 自分で配列図を作る

要するにこの文字はどこか?この辺のはず、というのを思い浮かべた後で配列図を見て確認する、というのをひたすら繰り返します。かな配列テスターでは次にタイプするキー位置が文字と一緒に表示されます。試し打ちにはとてもいいのですが、割り当てを覚えるときにはこれを頼りにしない方がいいと思っています。これをあてにしてしまうと、ただ表示されているキー位置を追うだけになってしまうからです。自分で自分を試す、というのを繰り返すのが覚えるポイントだと思っています。

また同時押しシフトのロゴス配列を練習しているときに感じましたが、指の形を覚えることを意識すると習得が早いように思います。体で(指で)覚える感じ。ロゴス配列のようにシフト同時押しの場合は指の形が静的なので覚えやすいのではないかと思います。前置・後置シフトの配列だと動的になってなかなか指の形を意識しづらい気がします。

配列図を自分で作るのもおすすめです。 スマホで写真を撮っても写っているものを思い出せないことって多くないですか? 思い出せるようにするには何かしら能動的なアクションが必要になります。

誰かが作り出した配列の場合はどこかに配列図があるものですが、それをそのまま利用せずに自分で作ってみます。 自分で配列図を作るためにはよく観察する必要があります。 それが配列を覚える助けになるし、またどういう文字列が打ちやすい運指なのかを知ったりと、理解が進みます。

ただし自分より圧倒的な速度で上達していく人もいるので、その人たちはどのようにして練習しているのか興味のあるところです。

かな配列の最適化はアルファベットの割り当て最適化よりも難しい

QWERTY配列に不満を感じ、アルファベットのキー割り当てを入れ替えている例はたくさんあります。 このパズルは、1つの平面上での配置替えによる最適化問題になります。 一方でかな配列の場合は、キー数が足りないためにシフトキーによる異なるレイヤーの割り当ても考慮する必要があります。 つまりパズルが立体的になるわけです。 こうなると問題がより複雑で難しくなります。

例えば打ちやすい2連続運指に単押しx2を割り当てるのか、あるいはその2連続打鍵を後置シフトキーとの組み合わせで1文字の入力にするのかの選択肢があります。また、そもそもシフトキーはいくつ設けるのか、どこにシフトキーを配置するか、シフトキーは押しながらか、前置・後置シフト、同時押しのどれにするのか、等々。 こんなことを考えていると、独自のかな配列を作成している人は私には超人のように思えてきます。 そのうち自分に合った独自のかな配列を生み出せたらいいなと思います。

この記事は自作したオリジナルキーボードunity69、pbkb48で書きました。

ロゴス配列に挑戦

月見草エキス配列というかな配列をしばらく使用していたのですが、自分にとってベストではないと感じ始めました。X上で驚異的な習熟過程を示していたロゴス配列が気になっていたので練習してみることにしました。

別のかな配列を試したくなってきた

月見草エキス配列をしばらく使っていたが、自分にとっての最終形ではない気がしてきた。 良かった点・合わないなと思う点は以下の通り。

良かった点

  • 拗音入力が気持ちいい
  • 「です。」「ました。」などの文末の入力がスムーズにできる

自分には合わない点

  • 一部運指が辛い入力がある(「ひ」、「び」、「み」)
  • 指が迷う(「ょ」と「ゅ」など)

指が迷う、というのは自分の練度の問題かもしれない。 しかし結構長い期間練習してもなかなか解消できないので、自分の練習方法がよくないのか、あるいは配列が自分にあっていない。 仮に練習を重ねて解決できたとして、しかし「ひ」、「び」、「み」などの辛い運指は鍛錬で解決できる気がしない。 別のかな配列を試してみたくなってきた。

次はどの配列に挑戦するか?

まずは月配列系を候補として考えた。 しかし、月見草エキス配列と同様に右手の小指の割り当てが多い。 右小指の割り当てが多いのは自分に合わない気がしているので、30キーに収まっている配列を候補とする。 数字行にもかな文字を割り当てるというものもあるが、自分は数字のブラインドタッチが完璧ではないので、この選択肢は除くことにする。

ロゴス配列にチャレンジ

月見草エキス配列を練習していたときに、Xのタイムラインで流れてきていてずっと気になっていたのがロゴス配列。 配列図(v0.2)は以下のようになっている。

ロゴス配列v0.2。青、赤はシフトキーとそれとの同時押しの割り当てを示す。

月見草エキス配列と比較すると、単打に割り当てられている文字は共通しているところが多い。 おそらく出現頻度を考慮すると自然に決まってくるのだと思う。

ロゴス配列を練習してみようと思った理由を整理すると以下のようになる。

  • 割り当てが30キーに収まっている
  • 配列作者のディット(@ditto_fe)さんは練習開始から12日でタイプウェルレベルSJを達成!
  • 計算配列
    • 独自のスコアリングでかなり成績が良い
    • 配列スコアに共感できる部分が多い
      • 3gramを考慮している
      • Redirect(同手で使用する指が途中で折り返す運指、中→小→薬など)を考慮
  • ディットさん曰く、「タイプウェルよりも実用分の方が打ちやすい」
  • 同時押しシフト
  • 同じ役割のシフトキーが左右対称にある

配列作者のディットさんはかなりタイピングが速い方なんだと思うが、それにしてもすごい習熟速度 (当時月見草エキス配列を練習していた自分のスピードはあっという間に抜かれた)。 そういう強いインパクトに当てられたこともあるが、自分の求めている30キーに収まっている配列であること、配列評価のやり方に共感できること、実用文のほうが打ちやすいと作者が感じていることが魅力的だ。 とくに計算配列は自分にとっては説得力がある。 作者の文体や言葉選びによるバイアスがかからないはずだからだ(文字パターン頻度を求めるためのサンプル文章をどう選ぶかという恣意性はあるけれど、通常は極端に偏っていないはず)。

また「同時押しシフト」が重要な要素だ。 同時押しは無理な手の形で押すような2キーの組み合わせにはしないはずだ。 また同じ役割のシフトキーが左右対称に配置してある。 左右にあれば最悪左右の指を使って同時押しすれば悪運指を完全に無くすことができるはず。 月見草エキス配列の不満点であった悪運指をなくすことができる、という点が決め手となった。

ただし同時押しというのは一方で不安要素でもある。 これまで自分はジャラっと打てるのを気持ちいいと感じていて、それとは全く異なる打鍵のやり方やリズムになると予想される。 まあでも食わず嫌いもよくないし何より経験してみるのが大事なので挑戦してみることにした。

しばらく練習してみて

練習1日目

練習を開始した日に割り当ての半分程度を覚えた。 次の日になったらだいぶ忘れているかもと思ったが、そんなことはなく覚えたままだった。 これは月見草エキス配列の割り当てを覚えるのに1ヶ月以上かかったのと比較すると非常に驚きだ。 月見草エキスではシフトキーが5種類ある(5レイヤーあるようなもの)のに対して ロゴス配列は2種類であり、学習コストが低いことが理由だろう。 あとは、自分がかな配列に挑戦したのが2つ目であることや、単打に割り当てられている文字がほとんど共通であることも学習を容易にしている気がする。

練習開始1週間後

1週間も練習すると割り当てを全て覚えた。一部少し迷う文字もあるが配列図を見なくてもタイピングテストできる程度になった。

やはり同時押しで辛い運指のものはない。 強いて挙げれば「ぎ」(D+R)や「ぜ」(D+T)だが、これは左手だけで同時押ししているためかもしれず、両手を使って同時押しすればいいのかもしれない。

一方で同時押しにはどうしても戸惑いがある。 同時押しする場合、ピアノの和音のように押す感じになる。 これまでの自分のタイピングのやり方・リズムと全く異なるのでなかなかしっくりこない。

また素早く2キーを連続で打鍵して単打x2の文字を出力したいのに、同時押し(QMKのコンボ)判定されて別の文字が出てしまうことがある。自分はどうやら素早くジャラっと打鍵している場合は一瞬同時押し状態になっているみたいだ。今はよちよちタイピングなので問題にならないが、練度が上がって素早く打鍵できるようになったときにはこの問題は避けられないだろう。しかし作者のディットさんはどうやってこの問題を避けてあんなに速くタイピングできるんだろうか?。

自分はジャラっとタイプできるのを気持ちいいと感じるので、なんとなく自分の求めているタイピング感覚ではない気がする。 でもまだ1週間しかさわっていないので、それで判断するのは時期尚早かもしれない。もう少し練習してみようかな?(でも気まぐれなので気が変わって別の配列を触り始めるかも)

この記事は自作したオリジナルキーボードpbkb48で書きました。

キーボードタイピング練習のためのサイト・ソフトを考える

最近タイピングサイトやソフトを利用してかな入力を練習していますが、 「違う、そうじゃない!」と思うことが多々あります。 そこで、どんな機能があるといいのかこの記事で整理してみます。 誰かこれらの要件を満たすタイピングソフトを作ってくれませんか?

まえがき

月見草エキスという、清濁別置で5種類のシフトキーがある(たぶん)高難易度のかな配列を練習した。 それには以下のタイピングソフトを利用した(ここでは「タイピングソフト」に「タイピングサイト」も含める)。

またこれら以外にも以下のタイピングソフトを使用したことがある。

どれも一長一短があるが、月見草エキス配列の習熟にもっとも寄与したのはタイプウェルだと思う。 ただしこれも完璧ではない。

どのようなタイピングソフトがあるといいのか、 この記事で整理してみます。 (誰かがそのようなソフトを作ってくれることを期待して...)

既存のタイピングソフトの不満点

ローマ字入力の柔軟性

ローマ字の入力はもっとフレキシブルであってほしい。 例えば、「でぃ」というのはdhiでもdeliでもdexiでも対応してほしい。 あとは促音。「しって」はsitteでもsixtuteでもsiltuteでもOKにしてほしい。 このために多くのソフトで不要なミス判定を受けてげんなりする。

入力後の確定キー

単語入力後にスペースを入力するのが自分の好み。 後置シフトの場合、単押しで確定しない場合があるので確定のためのキー入力が必要となる。 通常の作文の場合はスペースやEnterなどを必ず打鍵することになるので、これに対応する動作がほしい。 Enterでもいいが、速く打てるようになったときの爽快感という点ではきっとスペースの方がいいだろう。 ただしデメリットもある。 文章を書くときにはもっと長い文字列で変換するので、単語ごとにスペースキーを入力すると実際のタイピングとはリズムが全く異なってしまう。

スコアとグラフ表示

スコアとグラフ表示は自分の成長を客観的に知るためによい。 スコアが向上しているのが見えるとモチベーションが上がる。 ただし新しい配列の習得には時間がかかるので、比較的長い期間をグラフ表示してくれないと困る。 もっと欲を言えば任意の期間をプロットできるようにしてほしい。

統計情報の表示

様々な統計情報を表示できるようになっていてほしい。 タイピング速度(時間)、ミスの割合などは多くのソフトで見られる。 これらに加え、各運指(2gram、3gram)の平均速度・分散・回数(統計の信頼性)なども見られるといい。 配列の優劣を議論するときに、みな独自の”もっともらしい”スコアリングで議論する。 一定の説得力はあるものの、妥当性の検証は十分でないように思われる。 2gram、3gramの運指の統計とタイピング速度のデータがあれば、独自の”もっともらしい”スコアリングの検証ができるのではないだろうか。

以前タイピングデータを取得するアプリを自作したときに2gram、3gramの運指の統計を見られるようにした。 このデータを分析したらなかなか興味深かった。 またこれらを横軸に時間を取ってプロットできると、練度が向上してミスが減っていく様子などが見られてよいと思う。

出題される言葉

単語を入力させるタイプのソフトでは通常の日本語入力で頻繁に現れる「です。」「また、」などの入力は練習できない。こうした文字列も単語と併せて出題するのがいいのではないだろうか?

IMEを伴わない

これは自分の好みかもしれない。 ほとんどのタイピングソフトでは漢字変換を伴わないのに対し、 ATCは漢字変換を含むタイピングを要求する。 これは実際に作文している状態に近く、特筆すべき点だろう。 ただしゲーム性につられてスコアを上げようと思うとATC用にIMEを調教することになる。 課題文の言葉づかいや文体が自分の文章と乖離していることも多く、それにIMEを最適化している気がしてどうも好きになれない。 世の中にはIMEを自作している人もいて、そこまで含めて評価するという考え方もある。 ただしかなり上級&少数だろうし結局文体に左右されるので、IMEに影響されないようなタイピングテストがいいと思う。

タイピング練習ソフトに備わっていてほしい機能

以上の不満点を解消しつつ、次に挙げる機能も備わっていてほしい。

任意のキー配列を設定できる

自作キーボード対応ならこれは必須だろう。 ソフトは統計情報をキー位置で保持しておけばよい(これはrow staggered配列やortholinear配列だけに限った場合かも)。 そうすれば、キー配列を変更したときにどの文字パターンが打ちやすいか・打ちづらいかがすぐにわかる。 ローマ字入力やかな入力、後置シフトや同時押しなどの対応が大変だが、これはやればできるはず。

また打ちやすい運指は誰でも大体共通なので、キー配列を与えたら打ちやすい運指の言葉を課題として出すようにしてもいいかもしれない。そうすると新たに配列を覚えるのに役立つだろう。

出題する単語・文のカスタマイズ

デフォルトの課題に加え、問題をカスタマイズできるようになっているといいと思う。 課題はインターネット上のサイトから自動生成して登録できるようになっていると良さそうな気がする。 あるいはPDFなどから抽出してもいいかもしれない。 そうすると自分が練習したい文体や単語を練習できる。 まぁ今ではAIがサクッと課題を生成してくれるだろうから、単に課題とする単語や文のテキストをインポートする機能があれば十分かもしれない。

ゲーム性

初心者がタイピングを練習するという点でゲーム性があるほうがいいだろう。 キーボードやタイピングに全く興味のない人にとっては、ある配列を新たに習得することは苦行でしかない。 ただしここで言う「ゲーム性」とはビデオゲームのようにするということではなく、ランク達成度や自己ベストの記録があればよい。 そうすれば目標ができて頑張れる(たいていの人間は自分でちょうどいい目標を設定するのが上手くない)。

この点、タイプウェルはシンプルだが上手くできているように思う。 達成度レベルは短い期間(数日)の練習でレベルが上がるようになっている。 また自己ベストがトップ1だけでなく上位15番目までがあるのもよい。 Monkeytypeでは自己ベストしか表示されないが、長い間ベストを更新できないとモチベーションを維持するのは難しくなる。 5位に食い込んだ、というようなものが見えるほうがいいと思う。

スコア

多くのソフトではタイピング速度(時間の短さ)がスコアとなっている。 寿司打のよくわからない〇〇円という尺度よりは単純明快でよい。 だが多くの場合は問題がある。

大抵のタイピングソフトではミスタイプした文字を削除する必要がない。 しかし実際の作文では誤字はふつうは許容されないし、間違えたら文字を消去して打ち直さないといけない。 スコアは人にインセンティブを与えてタイピングへの適応の方向性を与えるので重要だ。 だがこのミスタイプ軽視は実際の作文とは乖離してしまっているので良くない。 そういう点でATCは実際のタイピングに対するスコアリングに近いと言えるだろう。 ATCのようにミスなし(訂正はOK)でどれくらい速くタイプできるかというスコアがいいと思う。

スコアの比較について

自分は必須とは思わないが、スコアを比較するという機能も考えることができる。 例えばスコアは配列の優劣を議論する際の指標にもなる。 ただし1分程度で打てる文では特定の課題文の練度も競うことになるのでイマイチだ。 また集中を研ぎ澄ませたままやりきれる時間でもある。 しかし本当に評価したいのは課題文に対する練度や集中力ではない。

ざっくり10分程度で打てる文の量で比較するのがいいのではないだろうか? 1度で10分タイピングはかなり大変なので、それくらいの統計をためて比較するのがいいと思う。

他人同士で比較する場合にはさらに公平性の難しさがある。 課題の文体に対する得手・不得手や実際に作文するときのタイピングとは別物になりがちだろう。 あるルールでの競争というゲームの側面が強くなる。 そのためチート防止は必須だろうが、これを考えるのは楽しくないのでここまでで。

統計情報のエクスポート

この機能は欲しい。 自分のタイピングデータをもとに配列を考える場合にほしい。 新しいキー配列の練習時と習得後で区別できるように、任意の期間のデータをエクスポートできるようになるといい(贅沢かな?)。

PCに常駐してタイピングデータを収集できる

普段のタイピングデータを取得しようと思うと、ソフトを常駐させて収集するのがよい。 ただしパスワードなどの個人情報を流出しないように最大限配慮する必要がある。 ソフトが3gramまでを一時的にしか保持しないのであれば問題なさそうな気がする。 課題文・単語を打つタイピングテストとは全く異なる打鍵になるので、統計はタイピングテストのものとは分けるべきだろう。



この記事は自作したオリジナルキーボードunity69、pbkb48 (月見草エキス配列 kc-ed)で書きました。

月見草エキス配列を4ヶ月使ってみて

かな配列の月見草エキス配列を使っておよそ4ヶ月が経ちました。 だいぶ慣れてきましたが、上手くタイプできないパターンは慣れでは解決できないような気もしてきました。

月見草エキス配列を使い始めて約4ヶ月

主にはタイピングサイトで練習をした。 QWERTY配列の指の癖がなくなり、自然と指が次の入力キーで待機するようになってきた。 体で覚えている証拠だ。 ブログの記事をあまりストレスなく書けるくらいになった(この記事も月見草エキス配列で書いている)。

拗音や文末の「です。」「した。」など、いくつかのパターンはタイプしていて気持ちいい。 気持ちよく打てるのは今のところ連続して2、3文字までで多くの単語はまだスムーズに打てない。 さらに手に馴染ませて言葉単位で気持ちよくタイプできでようになりたいところ。

いろんなタイピングサイト・ソフトで練習して思ったこと

はじめはe-typingの長文のやさしい課題で練習していた。 癖のない文体の文章を打つので練習に良い気がする。 一方で「っ」はキーボードからltuと出力しているのだが、これはミスタイプ判定されてしまう。 ある程度打てるようになるとこれが非常に煩わしい。

キー割り当てを覚えてからは主に以下の2つで練習した。

  • myTyping
  • タイプウェル 国語R(Rはローマ字入力)

新しい配列に取り組む場合、最初は文を打つよりも単語単位で練習するのが良さそうな気がする。

myTyping

このサイトは促音をちゃんと拾ってくれる。 一方で後置シフトの場合、単打では確定しないキーがある。 この文字が最後にくる場合、何か別のキーをタイプしないといけない。 普通に文章を書く場合は変換のためにスペースキーを押すか、確定のためにEnterを押すが、どちらもミス判定になってしまう。 自分のキーボードではShiftキーを押すと確定できるので最後にShiftを押して確定するのだが、そんなことは普通に文章を書くときにやらないので非常に煩わしい。

myTypingでの練習では「タイピング練習-特訓編」のそれぞれの指ごとの課題をやった。 これを全ての指の課題で合格するのを目標にして良いモチベーションとなった。 現在は落ち着いてやると全て合格になる程度にまで上達した。調子がいいとRank D。

他にも短文や長文などの課題文がある。 単語よりも文章で練習すべきだろうと思って、最初は「今週のタイピング練習」の「長文」をしばらくやっていたが、自分の文体とかなり違う文章を入力しなければいけないのが嫌になってやめた。

ログインすると記録が保存されてグラフ表示できる。ただし課題文ごとになっていて直近の20件しか表示してくれないのが残念。 自分の成長をもっと長期でみたいのでこのグラフ表示には不満がある。

タイプウェル

タイプウェルをあるときから導入し始めた。 単語同士をスペースで区切るので、ある程度速く打てるようになると英語のタイピングテストのようなリズムでの打鍵になり爽快感がある。 秒数を記録してランクや自己ベストを示してくれるので、ゲーム感覚で夢中になれる。 過去の自分との競争が良いモチベーションになるので、単語単位で運指を練習するのに向いていると思う。 実際これを導入してからmyTypingの成績も明らかに向上した。

ゲーム感覚で夢中で練習できるのはいいのだが、e-typingと同様に促音が常にタイプミス判定されてしまうので残念。 また爽快感はあるが、そのためにスピード重視でミスを軽視しやすくなる。 これに傾倒しすぎるのはよくないなと思った。 さらに実際に文章を書く場合は「です」や句読点なども練習する必要があり、 スペースで単語を区切るのは実際の日本語の文章をタイプするリズムとは全く異なる。 これだけでは実用的な文を書くためには不十分だと思う。

と、このように自分が満足できるタイピングサイトにまだ出会えていない。 やはり自分が本当に求めるものは世の中にないのだろうか...。 そうなると自分で作らないといけなくなってしまう。 仕様をブログにまとめたら誰か作ってくれたりしないだろうか?

月見草エキス配列で自分に合わないところ(?)

月見草エキス配列は右小指の割り当てが多い。 そのために指が迷って、結果としてスムーズにタイプできないというつまずきがあった。 これを解消するために少し改造して右小指の割り当てを減らした。

kgnwsknt-chef.hatenablog.com

この改造は我ながらうまくいった。 改造後のキー配列は以下の通り。 「こう」などは気持ちよく打てるし、右小指が迷わなくなった。

月見草エキス配列kc-ed

しかし、いまだに慣れていない部分がある。

運指が辛い「み」「ひ」「び」

これらはQWERTY配列での/i、.i、,oという連続打鍵で行う。 この運指が辛い。 これらの文字は出現頻度が低い(ここによれば出現頻度0.7%未満)が、タイプするときに指の煩わしさを感じる。 ローマ字入力では連続打鍵に寄与しなかった「,」「.」「/」キーに対する自分の練度が低いのもあるだろうが、2打目の後置シフトのI、Oキーまで遠いということも原因としてある。 気持ちよくタイプしたくてかな配列に挑戦しているので、運指が辛いのはどうにかして解決したい。

清濁の混同、左右盲

だいぶ指が慣れたが、まだ間違えやすいパターンがある。 「と」と「ど」、 「か」と「が」、 「ひ」と「び」 などをタイプするときに、清濁の混同が起こる。 「ど」(VI)をタイプする場合、左人差し指でまずVをタイプするが、誤って右人差し指でMを打って「と」が出る。

また左右がわからなくなることが起こる。 「わ」(GO)とタイプする場合は左人差し指でGをはじめに打つが、誤って右人差し指でHをタイプして「て」が出る。

これらは慣れの問題かもしれない。 一方で清濁の混同はかな入力に特有な気がしている。 ローマ字入力でかなを入力する場合にTとDが混同することなんて起こらない(十分慣れているせいかもしれない)。 入力方法によって頭に思い浮かべる文字は違うのではないだろうか? ローマ字入力ではアルファベットが、かな入力の場合はひらがなが想起される。 であるなら、日本語を入力する場合にはかな入力の方が良さそうに思える。

「ょ」「ゅ」の混同

月見草エキス配列は拗音が気持ちいいのだが、「ょ」と「ゅ」の打ち分けで指が迷う。 例えば「じょ」と「じゅ」は結構迷う。 訓練すれば迷わなくなるのだろうか?

4ヶ月も使って拙いのは自分に合っていないのか?

清濁別置でシフトキーが5つもあるので、習得は簡単ではないと覚悟していたつもりだった。 でも4ヶ月経ってもまだ十分に手に馴染んだ感じがないと、以下のような疑問が湧いてくる。

  • キー配列が自分には合っていない
  • 清濁別置でシフトキーが5つもある複雑な配列なので、習得するにはまだまだ時間がかかる
  • 練習の仕方がうまくない

これはどうにもわからないが、確かなのは「み」「ひ」「び」の運指が自分には合わないことだ。 出現頻度は低いだろうが、躓くような運指があって気持ちよくタイプできるとは思えない。 ただしキー数は限られているので仕方なくこの割り当てになっているのかもしれない。

同時押しシフトが良い運指の配列の参考になるのでは?

後置シフトでつらい運指をゼロにすることはできるのだろうか? かな配列のシフトはいくつか方法があるが、同時押しシフトが参考になるかもしれない。 同時押しをするためには手の形が無理なく2キーを押せる必要がある。 QWERTYでのBAなどは同時に押せなくはないが、ちょっと無理しないといけない。 一方FEなどは無理なく同時押しできる。

そして同時押しできるパターンは連続打鍵も素早くできる。 つまり後置シフトを伴う2打のパターンは同時押しできる2キーに割り当てれば気持ちよく打鍵できるはずだ。

また逆に同時押しが難しいパターンを洗い出せば、消去法でシフトキーになるべきキーが自然と決まるかもしれない。

あとがき

月見草エキス配列を4ヶ月使ってみて、かな入力の気持ちよさがわかってきました。 一方で、この配列で自分が目指している気持ちいいタイピングにたどり着けるのか、疑問を持ち始めるようになってきました。 また、タイピングの練習についても意識するようになりました。 既存のタイピングサイトは不満があってどうしても最適とは思えません(まだ自分が出会っていないだけかもしれませんが)。 気が向いたらタイピングサイトについてもあれこれ考えたことをブログ記事を書くかもしれません。

この記事は自作したオリジナルキーボードpbkb48、unity69(月見草エキス配列kc-ed)で書きました。