最近仕事におけるコミュニケーションについていろいろ思うところがあるので、頭を整理するためにここでゆる~く書きます。
最近仕事している時間のうち大半をコミュニケーションに費やしている気がしている。一人で仕事しているわけではないので必ず職場の同僚や取引先など、他人とコミュニケーションを取る必要がある。でも価値を生み出しているのは、コミュニケーションしている場面で生まれることはあまりない気がする。なのでちょっとフラストレーションが溜まっている。
ここでは現在どういうコミュニケーションのやり方があって、それぞれの特徴を整理してみます。
コミュニケーションの種類
対面のミーティング
複数人が情報を共有したり、決定を下すために議論するための方法。会話によるコミュニケーション。資料など、文字や図・表なども補助的に使うが、会話によるコミュニケーションがメインとなる。
相手の表情が見える利点がある。またホワイトボードなどでその場で図を描いて議論をしやすい。Zoomなどのビデオ会議システムでも可能だが、通信による遅延やソフトの使いづらさがあり煩わしい。
ミーティングは時間・空間を他人と共有する必要がある。また議論したことを残すのは手間がかかる。最近は文字起こし機能などがあるが、正式な会議録としては心許ない。人数が多くなると、双方向のコミュニケーションは難しく、一方通行になりがち。以降に述べるコミュニケーションに比べてコストが高いが、一方で他には代えられない時があり、特に機微な話題などは他のやり方では難しい。
メール
文章によるコミュニケーション。時間・空間を共有する必要がない。メーリングリストなどで多くの人に情報を伝達可能。コミュニケーション内容が残るというメリットがある。
一方で即時性がなく、相手からの返事を待つ必要があるので時間がかかる。そのために短い時間で考えれば一方的になり、コミュニケーションの双方向性は弱い。連絡するためのツールとして使われることが多いので、長い文章でたくさんのことを伝達することはあまり好まれないと思う。(長い文章を送ったり文書ファイルを添付することはできるが、それは後述の文章によるコミュニケーションになる)
Slackなどのチャットツール
メールに近いものがあるが、メールと比べると気安い。一方でその気安さのためにカッチリしたものごとの伝達には向かない。気安さのために言葉少なめでコミュニケーションが進むので、あらかじめ文脈を共有しておかないと意思疎通するのは難しいことがある。
そのために社内でのコミュニケーションなどクローズドな空間に限られることが多く、パブリックな空間では使用しづらい。これは互いに文脈を共有していることが暗黙の前提となっていることから来ているように思う。
1箇所で複数人がコミュニケーションできるが、あまりに人数が多いと発言する人が限られる傾向があると思う。
SNS
X(twitter)などのSNSは基本的に不特定多数の人とのコミュニケーション。自分が連絡先を知らなくてもリーチできる(可能性がある)というメリットがある。告知や宣伝に使えるが、不特定多数によるコミュニケーションは主張が発散し、対話として成立しにくい。
電話
時間は共有し、空間は共有する必要がない。 即時性があり、電話をかける側にとっては相手を捕まえることができるというメリットがある。最近の若い人は避ける傾向がありそうだが、この相手を捕まえることができるというメリットは、他のコミュニケーションツールでは代替できない(Slackにも通話機能があるが、結局これは電話と同じ)。
電話は基本的に1対1のコミュニケーションとなる。スピーカーフォンの使用により複数人数で会話できるが、同時通話は数人程度が限界だろう。
Zoomなどのビデオ会議システム
時間を共有し、空間は共有する必要がない。パンデミック時に重宝されたが、平時でもよく使われるようになった。特に海外の人など、対面で会うことが難しい場合に対面のミーティングの代替として使われる。
カメラで相手の表情を見ることができるが、対面ほどの解像度はない。自分はZoom会議をするととても疲れる。会話しているときは相手の表情を無意識に読み取っているが、Zoom時は低解像度の小さいカメラ映像から相手の表情を頑張って読み取ろうとするからではないかと思う。
会話は通信によるラグを互いに意識しておこなう必要があり、対面とは会話の間が異なる。
文章
時間・空間を共有せずに情報を伝達する。
ミーティングでは情報伝達できる人数はたいてい数人〜数十人程度だが、文章を用いると無限に多くても可能(ただし言語が共通である必要あり)。
情報を伝える対象範囲や領域が広ければ広いほど、丁寧な文章・資料作りが必要となり、その分作成コストが高くなる。
コミュニケーションの性質
以上のようにコミュニケーションの方法を列挙してみると、これらは以下の性質で整理できる。
- 同期性(時間の共有)
- 空間の共有
- 即時性
- 双方向性
- 記録性
- 情報伝達の柔軟性(手段の多さ)
- パブリックか、限られた集団か
- 情報発信者のノードの数
- 1vs1、1vs多数(数人か、十人以上かでも変わる)、多数vs多数
このように整理してみると、場面ごとにどのようなコミュニケーションツールが適しているかは変わってくる。
コミュニケーションコスト
仕事をしていると、上記のコミュニケーションにどれほど時間をとられているのか、と思ってしまう。
メールが1日に何十通も届くとか、1日に3つミーティングを入れられたりすると、その日は他に何もできなくなる。また対面なりZoomでミーティングをする場合には時間を共有する必要があるので、参加する人たちでスケジュールを合わせる必要もあり、そのためのコミュニケーションも必要となる。
また会話なり、文章なりで相手に物事を伝達するのも、情報伝達の表現が拙いと誤解が生まれて無駄な仕事が増えたりする。そう思っているので、メールの文面やミーティングの資料はできるだけ誤解なく伝わるように配慮するよう心掛けているが、そのためにまた時間がかかる。
どうにかしてこれらのコミュニケーションコストを最小化できないだろうか?
メリットを挙げるとすれば、相手に伝えるために資料をまとめたり文章化することを通じて自分の頭を整理しているということだろう。またコミュニケーションを通じて自分の思い込みや間違いに気づくこともある。
事務書類は昔から苦手だが、最近はコミュニケーションコストを最小化するための知恵だと思うようになった。ただ、書類様式がこなれていないと無駄にたくさんの項目を埋めないといけなくなる。最近ではオンラインシステムだったりするが、大抵のシステムは分かりづらく使いづらいので、やはり無駄にコストがかかっているように思ってしまう。
これだけツールがあっても、人と人とのコミュニケーションが最適化できているようには全く思えない。
どんなにテクノロジーが発達しても、人のコミュニケーション能力が最も重要、ということだろうか?
この記事は自作したオリジナルキーボードunity69で書きました。